カードでログインする側(利用する人)の手順は、別の記事にまとめています。
この記事の要約
- マイナンバーカードのログインは、12桁の番号ではなく、カードの中の電子証明書を使う。ログインだけなら、番号はサービスの側に届かない
- 流れは、サービスの画面 → デジタル庁の画面 → スマホのマイナアプリでカードを読む → 結果だけがサービスに戻る、の順
- サービスを運営する側は、デジタル庁の「デジタル認証サービス」に申し込み、契約を 2つ結ぶ。申し込めるのは、事業を行う法人や団体。同庁のよくある質問では、利用料は無料
- 導入は 6つの段(問い合わせ〜本番)。最初のフォームには、事業者名・法人番号・サービスの内容・予定の時期・月間の件数などを書く
- 当社は、2026年10月10日につなぐ部品を作り、手元で試した。申し込みは送っておらず、本物の環境とは通していない
目次
この記事は、サービスを運営する事業者が、自分のサービスにマイナンバーカードのログイン(認証)を設定する場合の話です。運営者や開発者の方に向けて書いています。
分かることは 3つです。どのような仕組みか。サービスの側に何が届くか。入れるには、どのような手順が要るか。
2026年10月10日 時点の内容です。デジタル庁の公開のページ・利用規約・開発者向けの文書と、法令の原文を、この日に読みました。
2026年10月11日に、題と導入を直し、利用する人の手順を別の記事に分けました。
当社は、2026年10月10日の時点で、申し込んでいません。本物の環境でも、試していません。公開の資料の整理と、手元で試した範囲の記録です。
この記事は、デジタル庁が書いた物でも、デジタル庁が確かめた物でもありません。
マイナンバーカードのログインは、番号ではなく電子証明書を使う
マイナンバーカードの IC チップには、電子証明書が入っています。ログインで使うのは、この証明書です。12桁の番号ではありません。
デジタル庁は、この仕組み(公的個人認証サービス)を「電子証明書を利用(マイナンバーは利用しません)」と説明しています。
証明書は 2種類です。ログインに使うのは、利用者証明用電子証明書です。暗証番号は、数字 4桁です。
もう 1つの署名用電子証明書は、申し込みの書類などに使う物です。この記事では扱いません。
同庁のページによると、公的個人認証サービスを利用している民間の事業者は、2026年8月31日の時点で 1,411社です。
一方で、同庁のよくある質問は、民間ではログインでの利用が進んでいない、と書いています。
このため、同庁は、利用の進まない機能などに絞って、民間向けのサービスを出す、としています。次の節の「デジタル認証サービス」です。
仕組み:デジタル庁の画面でカードを確かめ、結果だけを受け取る
デジタル庁の「デジタル認証サービス」は、カードの確かめを、サービスの運営者の代わりに行う仕組みです。
型は、OpenID Connect です。ほかの会社のアカウントでログインする時と同じ型で、広く使われている決まりです。
流れは、次のとおりです。
- サービスのログインの画面で「マイナンバーカードでログイン」を押す
- デジタル庁の画面に移る。パソコンの時は、二次元コードが出る
- スマホのマイナアプリで、暗証番号 4桁を入れ、カードを当てる
- デジタル庁が、カードの証明書が有効かを確かめる
- サービスの画面に戻る。署名つきの知らせ(ID トークン)が、サービスに届く
- サービスが、知らせの署名と中身を確かめ、合えばログインにする
これは、1つのアルゴリズム(計算の方法)ではなく、やり取りの順番を決めた仕組みです。アルゴリズムは、その中の部品です。
部品の 1つが、電子署名(ES256)です。届いた知らせが、デジタル庁の出した物で、書き換えられていない事を確かめます。
暗証番号の入力と、カードの読み取りは、デジタル庁の画面とマイナアプリの中で終わります。サービスの画面には、入れません。
開発で要る物は、3つです。ログインの画面のボタン。結果を受け取る口。届いた知らせの署名と中身を確かめる部品です。
サービスの側に届く物と、届かない物
ログインだけに使う時、サービスの側に届くのは、その事業者向けに作られた識別子が 1つです。
この識別子は、事業者ごとに違う値です。開発者向けの文書は、これを PPID と呼んでいます。
サービスは、最初に、この識別子と自分の利用者をひも付けます。次からは、同じ識別子が届いた時に、その人としてログインにします。
氏名・住所・生年月日・性別などは、運営者が求めた時だけ届く作りです。ログインだけなら、求めなくて済みます。
識別子だけでは、相手の名前は分かりません。分かるのは、前にひも付けた時と同じ識別子が届いた、という事です。
なぜ、デジタル庁への申し込みが要るのか
カードの証明書は、失効している事が在ります。有効かどうかは、証明書を出している機構(J-LIS)に問い合わせて確かめます。
公的個人認証法は、この問い合わせができる者を限っています。民間の会社は、多くの場合、主務大臣の認定を受け、機構へ届け出る形です(17条・36条)。
デジタル認証サービスを使う形では、この確かめを、デジタル庁に委託します(利用規約 9条)。
当社の読みでは、この形なら、運営者が自分で認定を申請しなくて済む可能性が高いです(同法の施行規則 29条)。
役員などに、決まった刑を受けた人がいない事などが条件です(同 28条)。決めるのは役所で、当社は断定しません。申し込む時は、デジタル庁に確かめてください。
機構への届け出を、運営者の側で出すかどうかは、公開の資料からは読み取れませんでした。打ち合わせで確かめる点です。
申し込みが要る理由は、もう 1つ在ります。流れが動くには、3つの物が、先にデジタル庁に登録されている必要が在ります。
- 事業者ごとの番号(クライアント ID)
- 確かめの結果を返す先の URL
- 事業者の公開鍵(デジタル庁が、求めの送り主を確かめるための物)
導入の手順:問い合わせから使い始めるまでの 6つの段
デジタル庁のサポートの記事と利用規約(2026年8月25日 改正)から、順に並べます。申し込めるのは、事業を行う法人や団体です。
- 1. 問い合わせ:デジタル認証サービスのページのフォームから、導入の相談を送る。打ち合わせの候補日を書く
- 2. 打ち合わせ:利用の条件を満たす事を明らかにする(規約 5条)。後で、サービスの管理番号が届く
- 3. 事前準備契約:申込書・サービスの基本情報・環境の設定書を出す。情報セキュリティの問い 21個に答える
- 4. テスト環境で作る:テスト用のカードが無くても、接続を試せる機能が在る
- 5. 本契約:本契約の申込書・本番の設定書・サービスの紹介の資料を出す
- 6. 本番で試す:本物のカードで試し、使い始める予定の日を、先にデジタル庁へ知らせる
規約の条の並びは、事前準備契約の申し込み(4条)が、打ち合わせ(5条)より先です。実際の順は、問い合わせの後の案内で確かめてください。
標準の目安は、情報がそろってからテスト環境まで 10開庁日ほどまで、本番の環境まで 3〜10開庁日ほどです。延びる事も在る、と書かれています。
契約の期間は、事前準備契約が 1年か本契約の日まで、本契約は 1年ごとの更新です。やめる時は、30日前までに知らせます。
問い合わせフォームに書く項目
最初の段の問い合わせは、Web のフォームです。フォームの名前は「デジタル認証サービスAPI導入に関するお問合せ」です。
下は、2026年10月10日に、フォームの画面で見た欄です。欄は変わる事が在るので、送る前に、画面で確かめてください。
必須の欄
- 件名と、区分(民間事業者か、行政機関等か)
- 事業者名・法人番号(13桁)・部署名・担当者の氏名・電話番号
- 導入の予定の時期(3か月以内を望む時は、リリースの希望の時期や、計画の節目も)
- サービスの名称と、サービスの内容(連携を考えているサービス)
- 月間のトランザクション数(いまの想定の件数)
- 説明(問い合わせの内容)
- 個人情報の扱いを確かめた事と、メールアドレスを確かめた事のチェック
書ける時だけ書く欄
- デジタル認証サービスを知ったきっかけ
- 開発を委託するベンダーの名前(決まっている時)
- SaaS などのツールの名前(使ってサービスを出す時)
- 根拠法令(サービスに、根拠となる法令が在る時)
- 打ち合わせの希望の日時(3つほど。1回は 30分の枠)
- 添付ファイル
送る前に決めておく事
欄から逆に読むと、先に決めておく事は 4つです。どのサービスに入れるか。だれの本人の確かめか。いつ始めたいか。月に何回ほどか。
利用規約は、うその情報を書く事を禁じています(14条)。決まっていない予定は、決まっていないと書く形になります。
法人番号は、国の「法人番号公表サイト」で調べられます。
書き方の正解は、公開の資料には在りません。当社は、2026年10月10日の時点で送っていないので、通った書き方も持っていません。
当社が 2026年10月10日までに試した事と、まだの事
ここからは、当社の記録です。当社は、自社のサービスのログインに、この形を足す準備をしています。
2026年10月10日に、公開の文書をもとに、つなぐ部品を作りました。スイッチは切のままで、本番には入れていません。
同じ日に、手元に作った試験用の相手(認証の側の役をする、当社のプログラム)とつないで、68通りの形を試しました。
正しい流れのほか、署名の違う知らせ・期限の切れた知らせ・途中で書き換えた求めなどを、通さない事を見ました。
まだの事も在ります。2026年10月10日の時点で、デジタル庁への申し込みは、送っていません。本物のテスト環境とも、つないでいません。
スマホの実機とカードでも、試していません。申し込みが通るかどうかも、分かりません。
この節は、2026年10月10日の時点の記録です。後の経過は、書ける範囲を確かめてから、足すかどうかを決めます。
向いている場面と、限り
デジタル庁が挙げる利用の場面は、口座の開設・携帯電話の契約・チケットの転売の防止などです。本人の確かめが要るサービスが中心です。
同庁のページは、カードの保有率を、2026年8月の時点で 80% を超えた、としています。
限りも在ります。カードと対応のスマホを持たない人は、使えません。ほかのログインの方法を、残す必要が在ります。
利用規約は、保守や障害の時などに、デジタル庁がサービスを止める・休む事ができる、としています(18条)。止まった時の入口も、要ります。
当社の部品も、いまのログインの方法を残したまま、足す作りです。本番には、まだ入れていません(2026年10月10日の時点)。
よくある質問
マイナンバー(12桁)は、サービスの会社に伝わりますか
ログインだけに使う時は、伝わりません。使うのは電子証明書で、デジタル庁も「マイナンバーは利用しません」と説明しています。
番号を連携する機能は、利用規約の別の章に在ります。この記事では扱っていません。
利用料は、かかりますか
デジタル庁のよくある質問は、無料としています(2026年10月10日に読んだ時点)。開発と運用の手間は、運営者の側にかかります。
個人でも使えますか
ログインする側(利用する人)は、個人で使えます。この記事の申し込みは、サービスに入れる側の話です。
入れる側について、利用規約は、申し込める者を「法人その他の団体であって、事業を行うもの」としています。
くわしい条件は、打ち合わせで確かめる形です。
まとめ
- ログインに使うのは、カードの中の電子証明書。ログインだけなら、12桁の番号はサービスの側に届かない
- カードの確かめは、デジタル庁が行う。サービスは、署名つきの知らせを確かめ、識別子でログインにする
- 運営者は、デジタル庁に申し込み、事前準備契約と本契約を結ぶ。テスト環境で試してから、本番へ進む
- 当社は、部品を作って手元で試した段。申し込みと、本物での確かめは、まだ(2026年10月10日の時点)
出どころ(2026年10月10日の 21時34分〜21時55分に読みました。リンクは張っていません)
デジタル庁「公的個人認証サービス(JPKI)」の民間事業者向けのページ・「民間事業者向けマイナンバーカード活用情報」(最終更新日 2026年9月25日)
デジタル庁「デジタル認証サービス」のページ・民間事業者向けよくある質問・サポートの記事(事前準備契約と本契約の申し込み)・利用規約(2026年8月25日 改正)
デジタル認証サービスの開発者向けの文書(実装ガイドライン・API リファレンス。どちらも更新日 2026年8月25日)・マイナアプリの動作環境のページ
電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(e-Gov 法令検索。2026年6月14日 施行の版)
上の資料の中身は、当社が言い換えて整理した物です。原文のままでは、ありません。
この記事は、法律の助言ではありません。デジタル庁が書いた物でも、デジタル庁が確かめた物でもありません。
当社が、自社のサービスの守りで試している事
当社は、自社のサービスを動かす中でためた守りの記録を、1ページにまとめています。売り物・料金・申し込みの口は、まだ在りません。
マイナンバーカードのログインを入れる作業を、当社が請け負う案内ではありません。
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