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案件を装う詐欺と銀行振込:振り込んだお金が戻りにくい仕組みと、振り込む前に確かめる事

イラスト:スマートフォンの形から点線が 2本伸び、1本は錠と盾の形へ届き、もう 1本は途中で消えている

この記事は、SNS で仕事や広告の「案件」の話を受け取り、相手の言う口座へ振り込むかどうかを迷っている方に向けて書いています。

分かることは 3つです。銀行振込のお金が戻りにくい理由、口座を止める仕組みの強みと限り、振り込む前と後にする事です。

2026年10月7日 に、警察庁・全国銀行協会・預金保険機構・国民生活センターの公開の資料と、法律の条文を開いて確かめた事を書きました。

当社は、被害の相談を受ける所ではありません。この種類の被害の経験や、お金を取り戻した記録もありません。公開の資料をまとめた記事です。

個別の事情への法律の助言ではありません。被害に気づいた時は、下に書いた公の窓口へ連絡してください。

きっかけになった番組と、「案件詐欺」という言葉

きっかけは、ABEMA Prime の公式のチャンネルが 2026年8月2日に出した動画です。場所は youtube.com/watch?v=99povMmTK84 です。

題は「【案件詐欺】YouTuber告白「ほぼ全財産失った…」日本は詐欺天国?巧妙な手口とは|アベプラ」です。

当社が読めたのは、題と説明欄だけです。話の中身は読めていません。この記事は、番組の内容のまとめではありません。

「案件詐欺」は、役所の統計の区分の名前ではありません。この記事では、仕事や広告の依頼を装って近づき、お金を振り込ませる手口を指して使います。

警察庁の統計で、当社が近いと見る区分は副業詐欺(副業を名目に現金などをだまし取る手口)です。同じ物ではありません。2025年の認知は 2,071件、被害額は 35.8億円でした。

国民生活センターは 2026年5月19日に、手軽な作業で報酬が出るとうたう副業の相談を公表しました。少額の報酬の後に、理由を付けて振り込みを求められる例が目立つ、とあります。

銀行振込のお金は、なぜ戻りにくいのか

振り込んだ後の取り消しには、相手の承諾が要る

振込を取り消す手続きは「組戻し」と呼ばれます。銀行の公開の説明では、相手の口座に入金された後は、受取人の承諾が無いと、お金は戻せないとされています。

だました相手が承諾するとは、考えにくい所です。組戻しの手数料は、戻らなかった時も返らない、と書く銀行もあります。

夜でも休みの日でも、すぐに着く

銀行どうしの振込をつなぐ全銀システムは、2018年10月から、平日の夜と土日祝日にも対応しています。運営元は、振込の 24時間 365日化が実現した、と説明しています。

便利な仕組みです。ただ、だまされた時は、気づく前にお金が相手の口座に着き、引き出される事があります。

自分で操作した振込は、補償の申し合わせに書かれていない

全国銀行協会には、盗まれた通帳や、インターネット・バンキングで預金が不正に払い戻された時、本人に過失が無ければ原則として補償する、という申し合わせ(2008年2月19日)があります。

申し合わせが書いているのは、この 2つの「不正な払戻し」です。だまされた本人が自分で操作した振込については、当社が読んだ申し合わせの本文と別紙 3 に、書かれていませんでした。扱いは、取引先の銀行に確かめる所です。

図1:振り込んだお金がすぐに着き、相手が引き出し、気づいた後に口座を止めても、戻るのは残っていた分だけになる流れ振り込んだお金が戻りにくい流れ① 相手の言う口座へ振り込む夜や休みの日でも、すぐに着く② 相手が引き出す・移す口座の残りが減っていく③ だまされたと気づく取り消しには相手の承諾が要る④ 銀行が口座を止める戻るのは、残っていた分だけ口座が早く止まるほど、残りは多くなります
図1:振り込んだお金がすぐに着き、相手が引き出し、気づいた後に口座を止めても、戻るのは残っていた分だけになる流れ

「中央集権型」の両面:止める権限が在る事の強みと限り

銀行の口座は、銀行が管理しています。この記事では、だれかが管理し、止めたり戻したりする権限を持つ形を、中央集権型と呼びます。

強み:口座を止め、残ったお金を分ける法律がある

振り込め詐欺救済法(2008年6月施行)は、犯罪に使われた疑いのある口座について、銀行が取引を止める事を定めています。口座に残ったお金は、手続きの後、被害者に分けられます。

預金保険機構の公告では、2025年度の第23回(2026年3月2日)までに、止められて手続きに入った口座は 70,917件、その残高は約140.2億円でした。

同じ時点までに支払いの手続きが終わった分では、口座に残っていた約66.2億円のうち、約54.4億円が被害者に支払われています。

限り:戻るのは、口座に残っていた分だけ

全国銀行協会の説明では、支払いは口座の残高を超えません。被害者が複数なら、振込額に応じて分けます。残高が 1,000円未満の口座は、手続きの対象になりません。

手続きには、少なくとも 90日以上かかるとされています。相手が先に引き出したり、別の口座へ移したりしていれば、戻る額は小さくなります。

警察庁の統計では、2025年に振込で払った被害は、特殊詐欺で 823.0億円、SNS型投資詐欺で 1,000.6億円、SNS型ロマンス詐欺で 276.0億円でした。

上の約140.2億円とは、数えた期間も対象も違います。2つの数字を比べて、戻る割合を出す事はできません。

入口:他人の名前の口座が使われる

振込先には、売られたり貸されたりした口座が使われます。全国銀行協会の集計では、不正な利用で止めたり解約したりした口座は、2024年度に 128,301件でした。

口座を売る・貸す・譲る事は、お金を受け取らなくても罪に問われる、と同協会は説明しています。口座を渡すよう求める「仕事」の話は、引き受けない所です。

暗号資産の送金も、取り消せない

ここまで読んで、「銀行が危ないなら、暗号資産で」と考えるのは誤りです。暗号資産の送金も、送った後に取り消せません。

暗号資産は、詐欺で実際に使われています。警察庁の統計では、2025年の SNS型ロマンス詐欺の被害額のうち、実質的に暗号資産で払われた分が 48.6% でした。

SNS型投資詐欺でも、暗号資産を直接送る形の被害は、2025年に 1,898件・215.5億円で、前の年より増えています。

振り込め詐欺救済法の条文が対象にするのは、「預金口座等への振込み」が使われた犯罪です。この法律の『預金口座等』は、銀行などの預金口座と貯金口座です。

暗号資産を相手のアドレスへ送った時に、同じ手続きが使えるとは、条文には書かれていません。

相手が自分で管理するウォレットへ送った場合、止める権限を持つ所が無い事があります。暗号資産で払った被害が、どれだけ戻ったかの統計は、当社は確かめていません。

当社は、暗号資産を、詐欺への備えとして勧めません。

図2:銀行振込の取り消しは相手の承諾が要り、暗号資産の送金は取り消せない。口座を止めて分ける法律は銀行振込に在る。どちらも送る前に確かめる銀行振込と、暗号資産の送金送った後の取り消し銀行振込: 相手の承諾が要る暗号資産: 取り消せない口座を止めて分ける法律銀行振込: 在る(残った分だけ)暗号資産: 条文に書かれていないどちらにも言える事送る前に確かめる急がされたら止まるどちらも、送る前の確かめが守りの中心です
図2:銀行振込の取り消しは相手の承諾が要り、暗号資産の送金は取り消せない。口座を止めて分ける法律は銀行振込に在る。どちらも送る前に確かめる

振り込む前に確かめる事

  • お金を受け取る話なのに、先に振り込みを求められたら、止まる。国民生活センターは、振り込まずに相談するよう呼びかけています
  • 「報酬を送るのに必要」など、理由を変えて次々に振り込みを求められたら、止まる
  • 会社の名前を名乗る相手は、自分で調べたその会社の公式の窓口に、話が本当かを確かめる
  • 振込先が、会社ではなく個人の名前の口座なら、振り込む前に理由を確かめる
  • 遠隔操作のアプリを入れるよう求められても、入れない。パスワードなどを見られるおそれがあります
  • 急がされても、その日のうちに振り込まない。家族や公の窓口に話してから決める

だまされたと気づいた時に、すぐする事

  • 振り込んだ先の口座がある銀行に連絡する。全国銀行協会は、振込を頼んだ銀行ではなく、振込先の銀行へ、と案内しています
  • 警察に被害を届ける。相談は、警察相談専用電話「#9110」
  • 消費者ホットライン「188」に相談する。近くの消費生活センターなどを案内する番号です
  • 振込の控え、相手とのやり取りの画面、振込先の口座の番号を残す。支払いの申請に、振り込みの事実が分かる資料が要ります

全国銀行協会は、被害に遭った人に、早めに振込先の金融機関へ連絡するよう呼びかけています。口座が止まるのが早いほど、お金が残っている見込みは上がると考えられます。

出どころ(2026年10月7日に確かめたもの)

  • 警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」(2026年6月5日)
  • 全国銀行協会「振り込め詐欺救済法とは」「口座の売買」「金融犯罪に遭った場合のご相談・連絡先」
  • 全国銀行協会「『預金等の不正な払戻しへの対応』について」(2008年2月19日)
  • 預金保険機構「令和7年度 第23回振り込め詐欺救済法に基づく公告について(概要)」(2026年3月2日)
  • 全国銀行資金決済ネットワーク「全銀システム」のページ(モアタイムシステムの説明)
  • 国民生活センターの、副業トラブルの注意の呼びかけ(2026年5月19日)と、SNS の金融商品トラブルの注意の呼びかけ(2026年9月1日)
  • e-Gov 法令検索: 振り込め詐欺救済法(平成19年法律第133号)の第2条・第3条・第8条・第16条
  • 組戻しの説明: みずほ銀行とゆうちょ銀行の「よくあるご質問」

数字は、それぞれの資料の時点の値です。年度と年で、数える期間が違います。これらの団体が、この記事を確かめた物ではありません。

よくある質問

Q. AI がこの記事を書いているのですか?

この記事は、AI エージェントが、上の出どころから書いています。突き合わせも、AI エージェントが行いました。載せるかどうかは、会社が決めています。

Q. 振り込んだお金は、全部戻りますか?

戻るとは限りません。全国銀行協会の説明では、支払いは止めた口座の残高までで、被害者が複数なら振込額に応じて分けます。手続きには 90日以上かかるとされています。

Q. 暗号資産で払えば、だまされても取り戻せますか?

取り戻せるとは言えません。暗号資産の送金も、送った後に取り消せません。警察庁の統計でも、暗号資産で払った被害が増えています。

まとめ

  • 振込の取り消しには、相手の承諾が要る。だまされた後は、戻りにくい
  • 口座を止めて残りを分ける法律がある。戻るのは、口座に残っていた分だけ
  • 暗号資産の送金も取り消せない。詐欺で使われており、備えにはならない
  • 先に振り込みを求められたら止まる。気づいたら、振込先の銀行と警察へ

暗号資産を送る前に、確かめる事を知りたいとき

暗号資産の送金は、送った後に取り消せません。別の記事に、ウォレットで支払う時の手順と、承認の前に確かめる事をまとめています。この記事は、暗号資産での支払いを勧める物ではありません。

暗号資産ウォレットで支払う方法:接続・ネットワーク・承認の 5つの手順

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