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予測市場(Prediction Market)とは:0〜1 の値段を「確率」として読む仕組みと、4つの限界

イラスト:1つの丸から 2つに分かれる線、目盛りの付いた縦の棒、交わる 2本の折れ線

この記事の要約

  • 予測市場は、先の出来事が「起きる/起きない」に、0〜1 の値段を付けて売り買いする場。値段 0.65 は「65% くらい」と読まれる
  • 米国の役所の案内では、現代の予測市場の最初の物は、1988年に米国の大学で、研究のために作られた。後から、ブロックチェーンを使う形が出てきた
  • 2026年10月10日に、海外の取引の場 1つの公開の一覧を当社が数えると、受け付け中の約 27万の市場のうち、24時間に売買が在ったのは 7.2% だった
  • 値段は、参加した人の見方で、事実ではない。売買代金・買いと売りの開き・答えの決め方の文・手数料を一緒に見る
  • 本物のお金を使う予測市場の利用を勧める記事ではない。使い方の手順と、結果の予想は、書いていない

目次

この記事は、ニュースや SNS で「予測市場では ◯%」という数字を見かけ、その数字をどこまで信じてよいかを、自分で判断したい方に向けて書いています。

分かることは 3つです。値段がどう決まるか。暗号資産がどこで使われているか。数字を読む時の限界です。

2026年10月10日 時点の内容です。数字は、公開の一覧と公式の文書から、この日に取りました。取った時刻は、本文に書いています。

本物のお金を使う予測市場の利用を勧める記事ではありません。使い方の手順と、結果の予想は、書いていません。

予測市場(Prediction Market)とは

予測市場は、先の出来事が「起きる/起きない」に値段を付けて、売り買いする場です。値段は、0 から 1 の間で動きます。

問いは「はい/いいえ」で答えが決まる形です。「はい」の札と「いいえ」の札が在り(この記事では、札 1枚を「1口」と数えます)、参加する人は、起きると思う側の口を買います。

答えが決まると、当たった側の 1口は 1 に、外れた側は 0 になります。そのため、値段 0.65 は「65% くらい」と読まれます。

ふつうの売り買いと違うのは、答えが決まる日が在り、その時に値段が 1 か 0 に決まる所です。

問いの中身は、選挙・スポーツ・天気や経済の数字などです。この記事で数えた一覧では、スポーツの物が、数の多くを占めていました(後ろの節に書きます)。

予測市場は、なぜ世に出てきたのか

先にまとめると、研究の道具として始まり、ブロックチェーンで受け渡しと答えの決め方を運営の外に置く形が出てきて、役所の決まりが後から追っている、という経過です。このまとめは、当社の読みです。

もとに在るのは、「値段は、散らばった知識を伝える」という考えです。経済学者のハイエクは、1945年の論文で、値段のしくみを、情報を伝えるしくみとして見るよう書きました。

この論文は、予測市場を書いた物ではありません。知識は 1か所に集まらず、1人 1人が少しずつ持っている、という問題を扱った物です。

米国の商品先物取引委員会(CFTC)の案内は、現代の予測市場の最初の物を、1988年にアイオワ大学で作られた市場としています。実験と学術のための計画でした。

アイオワ大学は、この市場を、研究と教育のために教員が動かしている、小さな規模の市場だと説明しています。問いの中身は、選挙などの出来事です。

計画に加わった研究者ロビン・ハンソン氏の記録によると、2001年から、米国の国防の研究機関(DARPA)が、予測市場の研究にお金を出しました。

同じ記録には、この計画は 2003年7月29日に、報道の騒ぎの中で急に打ち切られた、と書かれています。

2015年には、ブロックチェーンの上で予測市場を動かす案(Augur)の論文の、最初の版が出ました。答えを、運営ではなく、トークンの持ち主が決める形です。

CFTC の 2022年1月3日の発表によると、Polymarket は 2020年6月ごろから動いていました。ブロックチェーンの上のプログラムで、市場を動かす形です。

CFTC は、この発表で、米国の決まりで要る指定などの手続きを受けていない場だったとして、運営の会社に、140万ドルの制裁金の支払いと、決まりに合わない市場を閉じる事などを命じました。

申し立てと同時に和解する形の命令です。発表には、会社が調べに大きく協力したので、額を減らした、とも書かれています。

これは、2022年1月の時点の、米国での事です。その後の経過は、この記事では確かめていません。いまの同社の扱いを示す物ではありません。

値段の決まり方は 2つ在る:板の方式と、自動の値付け

板の方式:買いたい人と売りたい人の注文が出合う

Polymarket の公式の文書は、取引に板(注文の一覧)を使い、値段は運営が決めず、利用者どうしの売り買いで決まる、と書いています。

同じ文書は、画面に出す値段を「買いの最高値と、売りの最安値の真ん中」としています。2つの開きが 0.10 を超える時は、最後に取引された値段を出します。

注文が少ない市場では、画面の値段が、前の 1回の取引の値段のままの事が在ります。

自動の値付け:相手が居なくても、式で値段が動く

もう 1つは、式が値段を付ける方式です。買われた側の値段が上がり、反対側が下がります。相手の注文を待たずに買えます。

代表は、LMSR と呼ばれる対数の式です。当社が作った物は、こちらを使っています(後ろの節に書きます)。

この式は、研究者のロビン・ハンソン氏が 2002年1月付けの論文で示した物です。いつでも買いと売りの値段を出す、自動の値付け役として働く式です。

図1:予測市場の値段の決まり方。板の方式と自動の値付けの 2つが在り、どちらも、答えが決まると 1 か 0 になる値段の決まり方は 2つ板の方式買いと売りの注文が出合って決まる注文が少ないと、開きが広がるもう 1つの方式自動の値付け(LMSR など)式が値段を付け、買われると上がる相手を待たずに買えるどちらの方式でも答えが決まると当たった側の 1口は 1、外れは 0値段は 0 から 1 の間で動きます
図1:予測市場の値段の決まり方。板の方式と自動の値付けの 2つが在り、どちらも、答えが決まると 1 か 0 になる

暗号資産が使われている所:担保・口の記録・答えの決め方

暗号資産を持っていない方は、この節を飛ばしても、後ろは読めます。

この節は、Polymarket の公式の文書に書かれている事です。この記事は、公開の文書と一覧を読んで書きました。取引をして確かめた物ではないので、書かれたとおりに動くかは、分かりません。

取引に使うお金(担保)は、pUSD というトークンです。Polygon というブロックチェーンの上のトークンで、USDC(米ドルと同じ値になるよう作られたトークン)が裏付け、と書かれています。

「はい」と「いいえ」の口も、Polygon の上のトークンです。担保 1 から、「はい」1口と「いいえ」1口の組が作られます。

注文の突き合わせは、運営の仕組みが行います。受け渡しは、ブロックチェーンの上のプログラム(スマートコントラクト)が行います。

答えは、UMA という仕組みへ、だれかが担保を積んで提案します。2時間の間に異議が無ければ、決まります。異議が 2回 続くと、トークンの持ち主の投票になります。

予測市場の数字は、どこまで信じてよいかが分かりにくい

ニュースや SNS では、予測市場の値段が「◯% の見込み」のように引かれる事が在ります。

ただし、その値段が、何人の、どれだけの売り買いで付いた物かは、数字だけでは分かりません。読む時に困るのは、ここです。

公開データで数えた:1つの取引の場で、24時間に売買が在った市場は 7.2%

当社は、2026年10月10日 17時01分〜17時20分(日本時間)に、Polymarket の公開の一覧(API キーという合い鍵が要らない、公開の読み口)を最後まで読み、受け付け中の市場を数えました。

ここからの「市場」は、問い 1つごとの売り買いの場の事です。

この記事の「売買代金」は、一覧の volume24hr という欄の数です。単位の説明を、公式の文書で見つけられなかったので、額は書いていません。

注文を受けている市場は 272,976 でした。このうち、直近 24時間の売買代金が 0 か空だった市場は 253,194(92.8%)です。

24時間に売買が在った市場は 19,782(7.2%)でした。売買代金の上位 1%(2,729 の市場)が、全体の売買代金の 91.6% を占めていました。

売買が在った市場でも、買いと売りの開きが 0.10 を超える物が 3,668 在りました(売買が在った市場の 18.5%)。開きの中央値は 0.02 です。

市場の数の多くは、スポーツの物でした。手数料の区分の名前に sports が付く市場が 243,164(272,976 の 89.1%)です。

数は、取った時刻の物です。取っている 20分の間にも、市場は増えたり閉じたりします。別の時刻に取ると、違う数になります。

図2:2026年10月10日 17時台に、Polymarket の公開の一覧から当社が数えた、受け付け中の市場の数。24時間に売買が在ったのは 7.2%受け付け中の市場を数えた結果注文を受けている市場272,976(10月10日 17時台)このうち24時間の売買代金が 0 か空253,194(92.8%)残り24時間に売買が在った19,782(7.2%)その中でも買いと売りの開きが 0.10 超3,668(売買が在った内の 18.5%)公開の一覧から、当社が数えた数です
図2:2026年10月10日 17時台に、Polymarket の公開の一覧から当社が数えた、受け付け中の市場の数。24時間に売買が在ったのは 7.2%

値段を読む時の 4つの限界

1. 売り買いの少ない市場の値段は、少ない注文で動く

上の数のとおり、当社が数えた一覧では、売買の無い市場が大半でした。値段を見る時は、売買代金と、買いと売りの開きを、一緒に見ます。

2. 答えの決め方は、題ではなく、決まりの文に在る

公式の文書は、題は問いを表すだけで、どう決まるかは決まりの文が定める、と書いています。出どころ・期日・あいまいな時の扱いです。

異議が出た時は、決まるまでに 4〜6日 かかる、とも書かれています。

3. 手数料が、値段と確率の間に入る

公式の文書の手数料の式は「口数 × 料率 × 値段 ×(1 − 値段)」です。料率は分野ごとに 0〜0.07 です。

払うのは、すでに出ている注文に、後から自分の注文をぶつけて買う・売る側です。

額は、値段が 0.5 の時に、いちばん大きくなります。買う側が払う値段も、真ん中の値段ではなく、売りの最安値です。

4. 値段は、参加した人の見方で、事実ではない

値段は、お金を出した人たちの見方を映した数字です。調査や統計とは、作り方が違います。値段が 0.9 でも、起きない事は在ります。

予測市場のメリットとデメリット

数字を読む側から見た、仕組みそのものの良い所と悪い所です。値段の読み方は、前の節に書きました。使う事を勧める物ではありません。

メリット

  • 値段が公開されている。この記事で数えた一覧も、鍵なしで、だれでも読める物だった
  • 答えの決め方が、先に文で決まっている。出どころと期日を、後から確かめられる
  • 売り買いの在る市場では、参加した人の見方が、1つの数字にまとまる。売り買いが在るたびに、値段が動く

米国の人に向けた CFTC の案内は、予測市場が、世論調査などより良く結果を言い当てる事が「時に在る」と書いています。いつもそうだ、とは書いていません。

当社は、予測市場の値段がどれだけ合うかを、確かめていません。

デメリット

  • 売買の無い市場が大半。当社が数えた一覧では、24時間の売買代金が 0 か空の市場が 92.8% だった
  • 少ない注文で値段が動く。値段を動かす目的の売り買いが在っても、数字だけでは見分けられない
  • 答えの決め方で、もめる事が在る。公式の文書では、異議が出ると、決まるまで 4〜6日 かかる
  • 手数料が掛かる。画面の値段と、実際に払う額は、同じではない
  • お金を失う事が在る。CFTC の案内は、外した人は、出したお金を失う、と書いている
  • 国や地域の決まりで、使えない所が在る。日本については、後ろの節に書いた

CFTC の案内は、相場の操作と、内部の情報を使った取引を、CFTC の手続きを受けた取引の場が防ぐべき不正として挙げています。

同じ案内は、米国の人に向けて、CFTC の手続きを受けていない、米国の外の場と取引すると、守りが少ないか、無い事が在る、とも書いています。

日本から見る時に、知っておく事

Polymarket の利用規約(2026年8月11日 発効と書かれた版)は、制限の対象の地域に住む人・居る人に、取引を認めていません。制限を避けるために VPN などを使う事も、禁じています。

公式の文書(Geographic Restrictions)は、その制限の対象の地域の表に、日本を載せています。

日本には、賭博を罰する刑法の決まり(185条・186条)が在ります。金融商品取引法は、気象の観測の数値などを「金融指標」に含めています。

警察庁は、オンラインカジノについての案内で、「海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪です。」と書いています。

同じ案内に、「バカラ、スロット、スポーツベッティング等、その名称や内容にかかわらず、オンライン上で行われる賭博は犯罪です。」とも在ります。

本物のお金を使う予測市場が、上の法律の決まりに当たるかどうかを、この記事は判断しません。「当たらない」という意味ではありません。当社は、法律の助言をする立場に在りません。

当社は、本物のお金を使う予測市場での取引も、特定の取引の場の利用も勧めません。

当社が、本物のお金を使わない形で作って分かった事

ここからは、当社の記録です。前の節までの、本物のお金を使う予測市場とは、別の話です。

当社は、2026年10月7日に、予測市場の形を、画面の中だけの数字で試す遊びを作りました。本物のお金は使いません。どの取引の場の無料版でも、練習でも、入口でもありません。

この数字は、買えません・換金できません・賞品と替えられません・人に渡せません。当たっても、増えるのは、画面の中の数字だけです。

値付けは、LMSR の式にしました。人がほとんど来ない前提で作ったためです。板の方式は、相手の注文が無いと、値段が付きません。

買われた量が多いほど値段が上がる式です。値段の動きにくさを決める数は、2,000,000 にしました。

問いは、天気と経済の数字だけです。答えは、気象庁・日本銀行・財務省・総務省統計局が公開する数字で決めます。当社の考えで決める問いは、在りません。

答えを決める前に、出どころのページを 2回 開き、同じ数字を見てから決めます。決めた後に、出どころの数字が直っても、答えは変えません。

最初に考えた 10個の問いのうち、3個は、出す前に外しました。暗号資産の値を当てる問い 2個と、台風の上陸を当てる問い 1個です。

値を当てる問いは、売り買いの勧めに読まれるおそれが在る、と当社は考えました。上陸の問いは、人の被害を当てる形に近くなる、と考えました。これが、外した理由です。

始まりの値段は、過去の公開の数字を数えた割合か、数えていない時は 0.5 です。当社の見立ては、置いていません。

当社の画面では、値段を「当たる見込み」と書いていない

式に当てはめると、始まりが 0.5 の問いに、最初に配る数字の全部(100,000)を使った時、値段は 0.52 に動きます。1人で動かせる幅です。

参加が少ない間、この値段は、多くの人の見方を集めた数字ではありません。そのため、画面には「当たる見込みを示す物ではない」と書いています。

答えが決まった問いは、2026年10月10日の時点で、まだ在りません。予想がどれだけ合ったかの記録は、無いので、書いていません。

よくある質問

Q. 予測市場の値段は、そのまま確率として読めますか?

Polymarket の公式の文書は、値段を確率として説明しています。ただし、売買の無い市場の値段は、1回の注文や、前の取引の値段の事が在ります。

読む前に、売買代金と、買いと売りの開きを見てください。どの市場の値段も、事実や予報ではありません。

Q. 暗号資産を持っていない人にも、関係が在りますか?

数字を読むだけなら、暗号資産は要りません。この記事で数えた一覧は、鍵なしで読める公開の物です。

Q. 当社が作った物では、本物のお金が動きますか?

動きません。使うのは、画面の中だけの数字です。買う事も、換金も、賞品との引き換えも、人に渡す事も、できません。

まとめ

  • 予測市場の値段は 0〜1 で、板の方式か、自動の値付けの式で決まる
  • Polymarket の公式の文書では、担保・口の記録・答えの決め方に、ブロックチェーンが使われている
  • 10月10日に、1つの取引の場で数えた受け付け中の 272,976 の市場のうち、24時間に売買が在ったのは 7.2%
  • 値段を読む時は、売買代金・買いと売りの開き・答えの決め方の文・手数料を、一緒に見る

出どころ:Polymarket の公式の文書と、公開の市場の一覧です。

読んだ文書は、Polymarket 101・Prices & Orderbook・Polymarket USD・Resolution・Fees・Geographic Restrictions の 6つと、利用規約(Terms of Use)です。

2026年10月10日 17時00分〜17時30分(日本時間)に読みました。数え方は当社の物で、Polymarket が確かめた数ではありません。

成り立ちの節と、メリットとデメリットの節の出どころ:ハイエクの 1945年の論文、アイオワ大学の案内、CFTC の案内と 2022年1月3日の発表、ハンソン氏の論文と記録、Augur の論文です。

これらは、2026年10月10日 19時41分〜19時42分(日本時間)に読みました。訳と言い換えは、当社の物です。CFTC や大学が、この記事を確かめた物ではありません。

警察庁の文の出典:警察庁ウェブサイト「オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です!」(https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/onlinecasino/onlinecasino.html)。2026年10月10日に読みました。警察庁が、この記事を確かめた物ではありません。

当社は、Polymarket と関係ありません。Polymarket の名前は、どの取引の場の話かを示すために書いています。

下の箱は、当社の遊びの案内です。本物のお金を使う予測市場の無料版でも、練習でも、入口でもありません。本物のお金を使う予測市場とは、つながっていません。

天気と経済の発表の値を、画面の中だけの数字で予想する遊び

本物のお金は使いません(画面の中だけの数字です)。買えません・換金できません・賞品と替えられません・人に渡せません。

開くと、問いの一覧(天気と経済の「はい/いいえ」の問い)と、その時の値段が出ます。

天気と経済の数字の「はい/いいえ」を、公開の数字で答え合わせします。答え合わせが済んだ問いは、まだ在りません。値段は、当たる見込みを示す物ではありません。

問いの一覧を開く(マイクロファンドの予測市場)

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